2006年4月

第1回
出会いと生きがいの場を


「だれかと話がした〜い」

「だれでもいいから、私の話を聞いて」

「お母さん 」という立場になった冬、生まれて初めてそんな気持ちになった。

新生児のいる家庭とはどんなものなのかも知らず、また、幼稚園教諭をしていた経験から、「子育てなんて楽勝、楽勝」と大間違いの認識を持っての育児スタートだった。それが間違いだと気づくのに1日もかからなかったけれど。

赤ちゃんがいるとこんなに外に出られないなんて想像もできなかったな。

目の前のトーフ屋にトーフも買いに行けない。あのトーフ、こだわりがあっておいしいって評判だったのに。

焼き鳥屋からいいにおいがしてきたら、「軟骨食べたい。あ、ニンニク焼きもね」と、だんなにメールを打つ。だんなより、焼き鳥が待ち遠しかったあのころ。

外は氷点下。道路はつるつる。おまけに歩道なし。そんなとこ、赤ちゃんを連れてなんてとてもとても。寝てるすきにひょいっと行けばいいようなものだけど、うちの子ときたら抱いていないと寝てくれなかったもので。

大人と話すのは宅急便の人と1日1回。玄関の先に出るのはポストまでの2回。そんな生活が冬の間ずっと続いた。

そのせいで、冒頭の

「だれかと話がした〜い」
「だれでもいいから、私の話を聞いて」

という気持ちが沸々と、いやごぼごぼと音を立ててあふれ出してくるのだった。

その思いが後に、「出会いと生きがいづくりの場、陽だまりサロン」を始める原動力になったのだから人生何が幸いするのかわからない。

このページには、サロンを始めるまでのこと、そこで出会った人々のこと、そんなあれこれをつづっていきたいと思います。

これから、どうぞよろしくお願いします。