2007年11月

第20回
3つの期待


頭の中に何度も何度も、同じ歌が去来することはないだろうか。

なぜだか私の頭には「夏の思い出」がリピートしている。「夏が来れば思い出す・・・遙かな尾瀬遠い空」というあれだ。しかも勝手に替え歌になり「夏が来れば秋が来る」になっている。作詞家さん、ごめんなさい。

それはたぶん秋を締切に、夏から出されていた宿題がずーっと気になっていたから。そしてこの度、締切目前にようやくその宿題「動物園に期待すること」が3つにまとまった。そのひとつが「土の上で遊べる場」である。

この宿題を出されてから、たくさんのお母さんに動物園への感想やご意見をうかがった。結果、「動物園って、子どもが走り回るのにちょうどいい」との声があちこちから聞かれた。「走らせるために行く」というお母さんまでいた。犬じゃないんだからさ。

けれど実際、子どもがのびのびと走り回れる場って、そういえばあまりない。空き地には次々と家が建ち、一歩外に出れば車が行き交う。不審者情報も多いし。そうなれば「走らせるために行く」気持ちも、なんだかわかるというものだ。

私はそこを一歩進めて、動物園を「土の上で」「わくわくして遊びを発展させられる場」にしたい。アスファルトの上ではなく、土の上を。人工的な遊具ではなく、想像力で遊びを膨らませていける場を。

土の上は、無条件に気持ちがいい。大地からエネルギーがもらえて元気になれる気がする。だから「土の上」は絶対に外せない条件だ。

それから「わくわくして遊びを発展させられる」ものも。それは例えば「水辺」である。

子どもは羊水の中に浮かんでいた記憶があるのか、とにかく水が好きだ。水道であれ、水たまりであれ、プールであれ、水で遊び出したらきりがない。そのため、暖かくなってくると小川や噴水のある公園に出かける。なのに、そういった場所はほぼ100%「水に入らないでください」ときたもんだ。「水辺の公園」と銘打った場所でさえ。

子どもにとっては蛇の生殺し、私にとってはいい迷惑である。目の前に水があるのに「ダメなんだって」とがんじがらめにされる子どもと、蹴とばされて青タンができる私。それだけ水は魅力的なのだ。ぜひとも「入ってもいい水辺」を作っていただきたい。

田んぼの用水路や小川程度のものでも、子ども達は大喜びだ。ついでにそこに、動物のエサになるザリガニや魚を放してはどうだろう。それを釣って係の人に渡す。するとそれが次の「まんまタイム」のエサになる。自分のとったものがエサになれば、より一層動物に親しみがわくのではないだろうか。

もうひとつ「遊びを発展させられる」もの、それは例えば「秘密基地」。「秘密基地」と聞いただけで、私までわくわくしてくる。

協和に田舎暮らし体験させてくれる「自在屋」という場所がある。そこから歩いて数分の山里に、あるのだ。「秘密基地」が。ご主人は「昼寝小屋」と呼んでいるが、訪れる子ども達には「秘密基地」と呼ばれ大人気だとか。

近所の保育園の子ども達は、天気がいいと毎日のようにやってきて、ここで弁当を食べるそう。その後は虫取りや草つみ、鬼ごっこが始まるのだと。細かいことはよくわからないが、細い丸太を縄などで縛って組み立てていた。

県では「おやじ元気講座」などを催し、子どもと遊べるお父さん作りに乗り出している。その講座を受けた方の活躍の場として、遊び場作りをしてはどうだろう。

「土の上で」「子どもがわくわくしながら遊びを発展させ」、そして「大人も元気になれる」。そんな場所なら、私なら「またすぐにでも行きたい」と言うと思うのだが。さて、あなたならどうだろうか。