2009年12月

第45回
そこから始まる


スキー場にはスキーヤーが出向く。
雑貨が好きな人は雑貨屋めぐりを楽しむ。
そして、陽だまりサロンには親子連れが集う。
それは当たり前といえば当たり前のことかもしれない。
けれど、その「当たり前」にふと思いをはせる出来事があった。

先日、親子ライブの手伝いをした。
そこには音楽の好きな人々が集っていた。

ジャンルはアフリカ音楽。
ジャンベやハング、ビリンバウにパンデイロ。
ガスボンベの底を「楽器」にしたものもあった。
それをたたきながら鳴らしながら、心底気持ちよさそうに歌う。

それに合わせて、マントを羽織った女性が、
「畑作りをしたい」と語る男性が、
民族衣装のような出で立ちの男女が、手拍子をとり体を揺らす。

それは私にとって、ちょっとしたカルチャーショックだった。
今まで私の周りにはあまりいない人たちただったから。

「そうか、この音楽にはこんな人たちが集まるんだ」
「仙台から飛ばして来た人もいる。好きだと距離も関係ないんだ」
知らない同士が音楽を媒体にして一体になる様。
言葉を交わし情報を交換する様。
全てが私には新鮮な驚きと発見の連続だった。 

そのことがあって、「場に身を置く」ことの意味深さを思った。
好きなもの、興味の対象に向かって人は集まる。
何かの対象が人を惹きつけ、周波数の似た者同士を呼び寄せる。

ならばそれを、意識的に利用してはどうか。
やりたいこと、目指すことがあったら、まずは「その場」に出向くのだ。

読書好きならそんな人が集まる場へ、
起業したいなら起業した人のそばへ、
自分を高めたいなら高め合っている人たちの元へ。
「自分が求める場」に「身を置く」。

そこには本やネットでは得られない、生きた情報があふれている。
体温や息づかい、エネルギー、熱さなど、活字にはならないものが満ちている。

身を置いて感じるだけでいい。
そこから、何かが始まる。