2010年7月

第52回
ちょっと緊張・・・講演録1


夏。青空。突き抜ける日差し。
この大好きな季節に、高校生に向けてお話しする機会をいただきました。

何を話そう。
何を伝えよう。
私の何が、生徒さんの生きる糧になるだろう。
そう自分に問いかけながら、今まで生きてきた道を振り返りました。
その講演録を、これから何度かに渡って記していきます。

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こんにちは。
こうしてあなたとご一緒できることに喜びを感じます。
なぜなら、こういった話しに足を運んでくださる方は「何かやりたい」「何かをつかみたい」という意欲的な方だからです。
そういった意味で、これからお話しすることはもうすでにあなたの中に備わっていることかもしれません。
今日のテーマは「一歩踏み出す」です。

今の私は子育てサロンを運営し、本を書き、講師をし。
好きなことを仕事にして、毎日わくわく生きています。
ですが、以前の私はそうではありませんでした。
私は自分に全く自信がない子どもでした。

「私なんて何もできない」
「私なんかいなくてもいい」
「私が消えたって誰も気にしない」
そんなふうに感じていました。

部活をやっても3日で退部。
奉仕授業の草取りをさぼり、職員室に呼び出される。
目標もやりたいこともなく、毎日をただやり過ごしているだけでした。

自分に自信がなかったのはたぶん、親から言われた言葉のためです。
小学校の低学年の頃だったと思います。
夕暮れ時。父に用事を言いつけられました。
「この電灯で手元を照らしていて」。
父は何かのネジを締めようとしていたようです。

不安定な体勢で電灯を持っていたのでしょう、光りがゆらゆらと揺れて定まりません。
父もきっとじりじりしながら、揺れる灯りをこらえていたと思います。
「これじゃあ父さん、やりにくいだろうな」
そう思って私は体勢を入れ替えました。
光りがより一層大きく揺れました。
その時です、父に怒鳴られたのは。

「何やってんだ!おまえはなんにもできないやつだな!!」

幼い子どもにとって、親から言われた言葉は絶対です。
おはしの持ち方も、ボタンのかけ方も、全部親から教えられました。
だから親のいうことは全て信じます。
全て正しいに決まっています。
その親から言われた「おまえはなんにもできないやつだ」。
小さな私はどうやら、それも正しいこととして心に刻んでしまったようです。

それから私は自分に自信を持てなくなりました。
無気力な毎日でした。

ですが、そんな生き方をくつがえす、ある「事件」が起こったのです。