2010年10月

第55回
ちょっと緊張・・・講演録4


高校2年の「自分が動けば何かが変わる」という気づき。
私は始め、自分の「好き」に向かって動きました。
好きなことには、意識しなくても気持ちが向きますよね。
私も乳幼児を見かけると、身体が自然にそちらに動きます。

さて「好き」のほかに向かったこと。
それは「得意」でした。

自分の得意なことは、無理なく続けられます。
他人には難しそうに見えても、あっけなくやってのけられます。
苦もなく難なくこなせます。

息子は誰に似たのか足が速く(逃げ足も)、学年男子80人ほどの中でトップクラスです。
娘はお絵描きが好きで、犬や猫、花嫁さんから今時のギャルまですらすらっと描きます。
どちらも「すごいね」「さすがだね」と言われても「そお?」とあっけらかんとしています。
自分にとっては当たり前のことなので、ほめられる方が不思議なようです。
だから人に言われて初めて、そんな能力があることを知るようです。

あなたにもそんな得意分野がありませんか。
わからなければ周りの人やご両親に尋ねてください。
「私の得意なことってなんだと思う?」「子どもの頃から軽々やれてたことって何かな」と。

ただ、それが得意な人はほかにもたくさんいるかもしれません。
足の速い子だって、お絵描きの上手な子だってたくさんいます。
そこに磨きをかけるのです。自分らしい特徴を持たせるのです。

缶コーヒーのワンダは、特徴を打ち出して成功した好例です。
缶コーヒーは常時80種類ほどが市場にひしめき合っているそうです。
そこにどう特徴を持たせるか、差別化させるかで売り上げが変わってきます。
ワンダは「すっと飲めて、キリッと苦み」をうたったコーヒーです。
担当者は考えました。「キリッと苦いコーヒーは、いつ飲みたくなるんだろう?」。
そして「目を覚ましたい朝だ!」とひらめきました。
それを「朝専用缶コーヒー・ワンダ」として売り出し、大ヒットにつなげたのです。

そのものや人が持つ性質、それをSP(Selling Proposition)と言います。
「すっと飲めて、キリッと苦み」はSPです。
これに「そのものだけの特徴」「独自の売り」「ユニークな点」を持たせるのです。
「朝ならこれ!」と思わせる、他にはない付加価値をつけるのです。
するとSPがUSP(Unique Selling Proposition)に高まります。

絵が描けることはSPです。
これで「船の絵」だけに特化して練習すれば「船の絵はあの人に頼もう」と依頼が来るかもしれません。するとそれが娘のUSPになります。

あなたの得意分野に特徴を持たせてください。そこに磨きをかけてください。
するとあなたはその分野で、かけがえのない人になります。
「あの人じゃなきゃだめ」と言われる存在になります。
そしてあなたは「オンリーワン」になれるのです。

あなたの得意なことはなんですか。
なくてはならない人になる、その種はなんですか。
秋の夜長、そんなことに思いをはせるのもいいかもしれません。