2011年2月

第59回
ちょっと緊張・・・講演録8


昨年の夏、高校生向けにお話しした内容も、今回が最終回となります。

誰かに何かを伝える時、人は、1番伝えたいことを頭かしっぽに持ってくるようです。
これを「尾頭」というのでしょうか(←おいおい)。
その日のわたしもそうでした。
「では最後に、この言葉を贈って終わりにします」
そう言って、用意してきた紙を黒板に広げました。

「赤い花は赤く咲け 白い花は白く咲け」

何十もの瞳が、その言葉を捉えます。
「赤い花は赤く咲け 白い花は白く咲け」

この言葉は、ある本にこんなエピソードと共に載っていました。

「私には3歳年上の姉がいます。私と違って成績も良く、活動的で、生徒会長や部活動の部長もつとめる自慢の姉でした。

それが中学に入学したとたん、『○○ちゃんの妹なのにね』と先生に言われ、家でも『お姉ちゃんと比べてあなたは』と落胆され。それまで活発だった私は、日に日に内向的になっていきました。

そんなある日、姉を3年間担任していた先生に突然呼び止められ『もらってくれる?』と色紙を渡されました。それにはとてもきれいな字でこう書かれていました。

『赤い花は赤く咲け 白い花は白く咲け』

ずーっと無理していた私は、職員室の中にもかかわらず、ぼろぼろ泣き出してしまいました。優しくなでてくれた先生の手とその言葉は、今も忘れることのできない宝物です」 

人には、その人だけの役割があるのだと思います。
神様が「あなたには、これ」と与えてくれた役割が。
それは、世間一般の人とは違うことかもしれません。
今は見えないかもしれません。
小学生で見つかるかもしれないし、大人になってからかもしれない。
ここでできることかもしれないし、地球の裏側で必要とされることかもしれない。
それは誰にもわからない。
でも、絶対にある。
あなただけの「何か」が。


その手がかりとなるのが「好き」に「得意」に「目指すもの」に向かって動くこと。

「赤い花は赤く咲け 白い花は白く咲け
 自分を活かし自分を信じ、自分色の花を咲かせてください」

たくさんの拍手に送られ、会場を後にしました。
「この拍手が、あなたの門出となりますように」。
そう願いながら。