2012年5月

第74回
陽だまりサロン7年目


「ただいま、行ってきま~す!」
ランドセルを放り投げ、今日も息子は友だちの家へと駆け出した。
娘はといえば、帰宅するとまずおやつ。
それから自分の部屋でAKBを大音量で聞く。それが日課だ。
私の役目といえば、「おかえり」と迎えること、夕飯を作ること、「おふろは?」「宿題は?」と声をかけること。それくらいになりつつある。

授乳だ、寝かしつけだ、後追いだと子育てにてんてこ舞いだったころ。
ひとりの時間がほしかった。
朝まで通して眠りたかった。
こっそりではなく、居間でゆっくりお菓子を食べたかった(笑)。
あの時ほしくてほしくてたまらなかった「自由」が、今、手の中にある。

あのころ先輩ママは皆、同じように励ましてくれた。
「子どもなんて、すぐに大きくなるわよ。
 べたべたできるのも今のうち。十分かわいがってあげて」。
あの時は「そんな~」と思ったけれど、あれから10年、この言葉の真実を実感している。
チュウしようとすると逃げる息子に、「おふろ場に入ってこねいでね!」と念を押す娘に。
つい数年前までは、静電気みたいなくっつき生活だったのにな。

けれど、先輩ママがくれたあの言葉を、私はどうしても言うことができない。
今現在、朝まで通して眠りたくて、ひとりの時間がほしくて、精いっぱい頑張っている、現在進行形のお母さんたち。
そのお母さんに「すぐに大きくなるわよ」と笑い飛ばすことはできなくて。

お母さんはがんばっている。
美容院は半年がまんして。
ご飯は立ち食いでかき込んで。
自分の服を見に行っても、なぜか子どものものばかり買ってしまって。

わたしは、そんなお母さんたちの応援団でいたい。

子どもが大きくなれば、再就職やパートに出る人がほとんど。
そんな中「え!働いてないの?」と驚かれることもあるけれど。
わたしはここにとどまって、お母さんたちを「がんばってるね」と認めていきたい。
「いつでも話を聞くからね」って、同じ場所で待ち続けたい。
それは、自分がしてほしかったことだから。
それが、自分の仕事だと思っているから。

さあ、今年も陽だまりサロンが再開した。
たくさんの出会いがありますように。
ママや子どもが幸せでいられますように。
陽だまりサロン7年目。
そんな願いを形にしながら、また一歩、歩を進めよう。