2012年8月

第77回
最高のプレゼント中編


待つ身は長いと言われる。
が、息子の修学旅行はあっという間だった。
1泊2日、青森・岩手バスの旅である。
昨日出て、今日にはもう帰ってくる。
「おみやげは何かな?」
普通の親なら、「元気に帰ってくればそれでいい」と思うのだろうか。
しかし私は、お土産だけが楽しみでもあり、そして気がかりでもあった。

2年前にさかのぼる。娘の修学旅行は仙台・松島方面。
学校に迎えに行くと、バスから降りてくる子どもたちの手はお土産でいっぱい。
娘は・・・と待っていると、直径60㎝ほどのピンクの物体を抱えている。
何か?
それはそれは大きな、マンボウのぬいぐるみであった。
ひきつりながらも聞いてみた。
「何が楽しかった?」
「買い物!」。
女である。

男子児童も負けてはいない。
1人、また1人。5人に1人くらいの割合で長い棒を持って降りてくる。
「あれ何?」。

上に子どもがいる母さん友だちに聞くと、渋い顔で教えてくれた。
「木刀よ」
「え、木刀!?」
「そ!毎年何人かは買って来るのよ。伊達正宗の地だからね~」
「で、お宅は?」
「大丈夫。買って来るなって言い渡した」
その後、降りてきたその子の手には。しっかりと、木刀。
その母さん「やりやがったな」とつぶやいた。

さて息子に話を戻す。
しっちゃかめっちゃかの息子である。
何をしでかすかわからない息子である。
400円分のおやつを買いに行き、お菓子くじを引いてきたことは前編に書いた。
ほかにも、登っていた3メートルの木から、枝ごと落ちてくるわ。
公園の階段でラリーして、頭から血を噴水させるわ。
ばあちゃんから100円もらいながら、店に駆け出すわ(バトンかい)。

そんな息子が7千円なんて大金を手にし、普段通りの精神状態でいられるはずがない。
行き先が違うから木刀はないにせよ、何に、どう使って来るのか。
「青森・岩手でしょ? わさおグッズかな。南部せんべいかな。
とにかく、変なもの持ち帰りませんように」
それだけを願った。

さて息子の小遣いの使い道はいかに?
この続きは、また今度。