2013年12月

第93回
夢は叶う5


「夢は叶う」の5回目になります。
彼女の言う「コトバのチカラ」を聞いていて、思い出したことがありました。

それは、息子のスポ少のことです。
息子は小学校で野球をやっていました。
「強い?」と聞かれると「強いです」と応えていました。
「上の学年と、下の学年は」というシッポがつくのですけれど。
息子の学年はごくごく平凡なレベル、可もなく不可もなくといったチーム…のはずでした。

ところがです。
最高学年になった息子のチームは、なぜだか全県優勝してしまったのです。
佐竹杯やナイスカップという各種リーグ戦もとんとん勝ち上がり、気が付けば父さんたちが優勝カップで酒を飲むこと度々。
それは、親の私らが「うそでしょ」と思うほどの出来具合でした。

私は野球のことはわかりません。
うちの守備がどうだとか、練習メニューがこうだとか、全くもってわかりません。
ただ、ひとつだけ強く強く感じたことがあります。
それは、「言葉がいい!」ということです。

子どもたちは試合前、ベンチの前で円陣を組みます。
真っ白なユニフォームで、肩を組み、大きな声を張り上げます。
「おれたちはやれる!」「おれたちはやれる!」
「おれたちはできる!」「おれたちはできる!」
「絶対勝つぞ!」「おー!」

そうして「1番」にした人差し指を青空に高く突き上げ、それぞれの持ち場へと走るのです。
その表情の、なんといいことでしょう!
どの子もほれぼれする、やる気満々の顔をしていました。

どのチームだって必死に練習しているはずです。
勝ちたい気持ちもあるはずです。
ではそこで、勝敗を左右するものは何でしょうか。
それはもしかしたら、言葉ひとつなのかもしれません。
「やれる」「できる」「勝つ」。
それが「やれる自分」「できる自分」「勝てる自分」を作っているのではないでしょうか。

石川さんは言います。
「自分のことばを、いちばん聞いているのは自分です」
「相手に言ったことでも、自分のこととしてとらえます」と。

ならば私たち親も、いい言葉を使いませんか。
子どもにも「やれるよ」「できるよ」と言い続けていきませんか。
その言葉が子どもだけでなく、きっとあなたをも「やれる自分」「できる自分」に導きます。
そしていつか振り返ったら「あ、私の夢、かなってた」となる時が来るかもしれません。

―――ムリと言われた出版が実現した石川さんや、あきらめかけたこの講演会が現実となった私、そしてまさかのメダルに、ダイヤモンドをぎくしゃく行進したあの子たちのように。

石川尚子さんの講演録はこれにて終了です。