2014年2月

第95回
大きくなっても


「子どもって、大きくなってもかわいいんだろうか?」
これは新米ママのとき、特にうちの坊主君が1歳過ぎ頃思っていたことです。

1歳過ぎとは、あのむちむちの、パツパツの腕や足がスリムになっていく頃。
輪ゴムをはめたようなお肉の、何とも言えないつかみ心地。
話し始めの、「おかーあん」という舌ったらずな呼びかけ。
ほわほわの髪の毛。
その何もかもがいとおしくて「このまま大きくならないで」と思っていた。
それが、先の疑問につながったのでした。

その頃よく会っていた知人には、小学校も高学年の息子君がいました。
そんなことをつぶやく私に、その人はきっぱりさっぱり言いました。
「大きくなってもかわいい!」と。
それでも、どうしても、どうしてもそうは思えませんでした。
だってその息子君、背だって私とそうそう変わらず。
靴のサイズなんか追い越されてたし。
「母さん、まんが買うから金」との声はすっかり低く、その上「金」ですと??
ああ・・・。
やっぱり疑問すえおきでした。

あれからとおに10数年。坊主君は13になりました。
断言します。「大きくなってもかわいい!」です。
しかも自分の子だけじゃありません、友だち含めてかわいいです。

先日も坊主君の友だちが4人ほど遊びに来ました。
みな小学校からのスポ少仲間。
うち3人は身長165センチ越え、話す時は見上げることになります。
その体でベーゴマを回し、ジェンガで盛り上がり、「家じゅうかくれんぼ」をしていました。
休憩になると「食べるものない?」「トイレ貸して」とやっぱり低い声です。

それでも思うんです、「やっぱりかわいい」と。
小さい時から見てきた子どもは、自分の子でも人の子でもなんだか特別です。

転んで泣いた時、手のひらにカットバンを貼ってやったよな。
グランドからの帰り道、好きな子は誰か、わーわー話したな。
大きな声で応援歌を歌って歩き、私も一緒に近所のおじさんに怒鳴られたな。
それが今は中学生か。

きっと高校になっても、成人しても結婚しても思うのでしょう。
「大きくなってもかわいい」と。

あのむちむち感はもうないけれど、大きくなるのもいいものです。
ただ、その「かわいさ」は、その時々で違うから。
今の、今だけの「かわいさ」をとことん味わっておきたい。
あなたにも、今だけの、この時だけのかわいさを、精いっぱいかみしめてほしい。
そう、願うのです。