2015年4月

第109回
さくら さくら



きっと生まれて初めてのこと。
こんなに早く桜が開いたのは。

4月4日、我が家の裏にひっそりたたずむソメイヨシノが咲きました。
朝にはたったひとつだけが半開き。
それがお昼を過ぎてから、10ほどのつぼみがふわり広がりました。
高台にあり、例年でさえ下界(笑)より3日は遅れて開くのに。
「うちだけかな?」と思ったら、住宅街のあっちでも、こっちでも。
静かに、穏やかに、「もういいですかー?」とほほえんでいました。

子どもの頃、ずっとフシギに思っていたことがあります。
―――なぜ入学式に桜が咲いているんだろう、と。
入学式を伝える新聞やニュースの背景には、桜の花があふれていました。
それだけではありません。
お気に入りの塗り絵さえ、にっこり笑うランドセルの男の子の後ろには、さくら、さくら。

―――なぜ入学式にさくら? 田んぼには雪だらけだよ。
お花見なんて5月の長いお休みのときなのに。へんなの―――

それがいつかぽろり口から落ちたのでしょう、一回り上のいとこが教えてくれました。
「あっこ、咲く時期って違うんだぞ。あったかい方は4月の初めころ咲くんだぞ」と。
「あ、だからか!」と感激すると同時に、「あほか」とあきれられました。
あれから30数年の時を経て、それが現実になるなんて。

今週は入園・入学式が真っ盛り。
初めてのカバン、初めてのランドセル、初めての制服。
まっさらなそれらに包まれた、ぴっかぴかの子どもたち。
それを見守るのが、ご両親とともに、早咲き新記録の桜だなんて―――。
いいなあ今年の新入生、これって最高に幸先良いスタートではありませんか?

北国秋田に桜咲く。
入学式にサクラサク。
みんな、みんな、おめでとう。