2015年9月

第114回
スタート



一気に秋になりました。
「4月と9月はスポーツクラブの入会が増える」とか。
過ごしやすくなり、何かしたくなるのが理由だそうです。
あなたは何を始めますか?

我が家で新しく始まったこと、それは猫との暮らしです。
ある朝娘が言いました。
「友だちんちに捨て猫がいるから、ちょっと行ってくる」
「え? え?」
よくわかりません。
「ただいま!」
ほどなく戻った娘より先に、ふわり入ってきたのは―――栗色の猫です!
「よっ」と言うように、「にゃ」と鳴きました。
まったく人を警戒しないところを見ると、捨て猫ではなく飼い猫だったのでしょう。

まだ寝ている息子の布団に入れて「朝だよ」と声をかけると。
「…ん~? ちゃお~」
なでなでするそれを、わんこと思った様子。
そう、うちには犬もいるのです。

しかし、しなやかな感触は何か違ったのでしょう
「なんだ!?」
二人、いえ一人と一匹、皿のように目を見開き、しばし見つめ合いました。
「…猫か~」(←驚けよ、息子)
あ~あ、今度はまあるく抱き合って眠ってしまいました。

こうして猫は、自然に我が家に溶け込みました。
小さいころ猫にかまれた夫だけは、すり寄られるとカッチコチ。
「緊張して肩凝る」と言ってましたが、ほどなくして追い払うすべを身に着けました。
へったくそな猫を描き「エンブレムに応募しようかな」とまで言っています。
むり、むり。

猫がいると風呂がきれいになることも知りました。
お風呂ブラシをキュッキュすると、見ている猫の首はそれに合わせて右左。
おもしろくって、キュキュキュキュ! 超高速で右左右左。
気が付くとお風呂がピカピカになるのでした。
わんこは…。わんこはエサを取られてご不満なようですが。

猫の額は犬のそれより大分狭いこと。
あったかいものが好きで、パソコンの上にも転がること。
だから仕事途中で離れると、変にキーが押され「IIIII\\VV!!」とかなってること。
初めてのことには、こんなにたくさんの発見があるんですね。

ほら、わくわくの毎日は手の届くところにあります。
猫みたいに、迎えに来るのを待っています。
さあて、あなたは何を始めますか?