2017年1月

第130回
「最後」の誕生日

 
あけましておめでとうございます。
今年も新しい一年が始まりました。
あなたにとって、どんな年になるのでしょう。
私にとっては、子育てに一区切りつく年になりそうです。
 
先日は、娘の18歳の誕生日でした。
春には家を離れます。
家族で祝えるのも最後かもしれません。
それを思うと感慨深く「何か、驚かせてやろう」と作戦を練りました。
 
第一弾。お弁当にちょっと贅沢なデザートを入れました。
その名も「焼きプリンモンブラン」。
好物が合体しています。しかも、メッセージまで添えました。
「お父さんとお母さんのところに生まれてくれてありがとう」。
 
これで驚かないはずがありません。
さあ、どんな顔して帰って来るか?
 
 
さて帰宅。
プリンの話が出てきません。忘れてるのか照れくさいのか。業を煮やして聞きました。
「プリン入ってた?」
「あ、嬉しかった」
あっさりです。母の感慨なぞ、どこ吹く風です。
 

気を取り直して第二弾。
夕飯に手をかけました。
マッシュポテトを小さく丸め、ミニトマトと交互に並べたり。
アボガドでディップを作り、カナッペに乗っけたり。
これには「わぁ、お母さんが作ったとは思えない!」と喜んで(?)くれました。
 
最後にフィニッシュ。ケーキにろうそくを立てました。
「隠れるから、部屋暗くしてろうそくに火をつけて」と娘。
明かりを灯すのは息子の役目。
18本のゆれる火を眺めながらハッピーバースディーを歌い娘を迎えました。
 
明かりに照らし出され、幸せな顔して「ふ~」と吹き消す娘。
一瞬の闇、そして静寂。その後パチッと電気をつけると。
「はい、お母さんに」
そう言って、ピンクのガーベラの花束を差し出すではありませんか!
 
見ると小さなカードがついています。
「お母さん、生んでくれてありがとう。
18まで、りっぱに育ててくれてありがとう」
 
自分で「りっぱに」と言うのもどうかな。
そう思いつつ、嬉し涙が止まりません。
 
驚かせるつもりが、こちらが驚く誕生日。
うん、この子は大丈夫!
だって40うん年かかってもまだ、私が親に言えない言葉を言えるんだもの。
春にはポンと背中をたたき「じゃあね」と言おう。
そう心に決めた、母さん18年目でした。