2017年9月

第138回
 会いに行こう

 
会いたい人はいますか?
最後に会ったのはいつですか?
 
一回り上の、大好きないとこの兄ちゃん。
その人が先日、亡くなりました。
 
母方の本家のいとこで、ばあちゃんの家に行くたび「あっこ、あっこ」とかわいがってもらいました。
春は田んぼで鬼ごっこ。
夏はグンゼのパンツで川遊び。
秋。ばあちゃんが薪ストーブの上で焼いてくれた栗を、いとこ8人で奪い合い。
冬。軽トラの後ろにそりをつけ、ちびたちを乗せて出発進行!
窓から顔を出して「しっかりつかまってろよ!」と引っ張ってくれました(ナイショ)。
 
時は過ぎ、兄ちゃんはお婿さんに行きました。
三々九度は私の係。
若干22歳、酒の飲めない兄ちゃんに「ちょっとでいいから」と耳打ちされて、なみなみ注いでやりました。
叔母たちが「早すぎる」と泣いて止めた結婚でした。が、私は平気。
なぜなら、うちの近くにお婿に来たからです。
 
それからは、結婚先に遊びに行って。
生まれた女の子を妹みたいにかわいがって。
あんまりかわいくて、将来幼稚園の先生になろうと決めたのでした。

そんな生活が、私が家を出るまで続きました。
それからは、とんと会うことがなくなりました。
電話では話しても、会うのはいいとこ数年に一度。
「帰ればいつでも会えるし」。
そんな気持ちが足を遠のけました。
 
でもね「いつでも会える」は、相手が生きているからできること。
期間限定なのでした。
死んじゃったら会えないんです。
そしてそれは突然やってくることもあるんです。
 
兄ちゃんもそうでした。
野球の練習試合の最中、盗塁しようと走り出した。
そこで倒れてそのまんま。
一塁を守っていた人が「ムリすんなよ」と声をかけ、「おう」と応じた90秒後だったそう。
 
別れなんて、いつやって来るかわかりません。
今日かもしれない、明日かもしれない、そして90秒後かもしれません。
 
会いたい人に会ってください。
あなたの顔を見せてください。
あなたの子どもを見せてください。
 
会いたい人は誰ですか?
今すぐ電話をかけて、そして言ってください。
 
「会いに行くよ」