2017年10月

第139回
 親切心に火をつけて

 
小さな秋。
今回は、小さな親切を受け「好意は素直にもらっていい!」と思ったお話です。
 
スーパーに買い物に行った時のこと。
カゴを取ろうとすると、その向こうに男の子が立っていました。
見たところ小学校低学年くらいです。
 
その子も取ろうとしていたので待っていると。
なんと!
取ったカゴを私に向けて、ずいっと差し出すではありませんか。
 
ぱちん。
カゴの網目(?)の奥の、目と目が合いました。
驚いてもう一度見直すと、その子は網目越しにまっすぐ目を見て「ん」とさらに差し出します。
 
「いいの?」
「うん」
「ありがとう」
あっけにとられていると、その子は自分のカゴを取り、向こうにいる母親の元へ走って行きました。
「おかあさーん、ぼくね、あの人にカゴ取ってあげた!」
 

それで思い出したことがあります。
受け取り上手な友人のことです。
 
「ハタハタ釣れ過ぎたの、もらって~」と持って行くと
「ありがとう! またちょうだいね!」ときます。
「写真できたよ」と息子君のテニスの試合のそれを渡すと
「打ってる瞬間のはなかった。めっちゃ嬉しい!」となります。
 
四の五の言わず、スコーンと気持ちよく受け取ってくれるんです。
素直な反応が嬉しくて
「喜んでもらえてよかった!」
「また何かしてあげよう」という気になります。
 
こんな時「悪いわ」と遠慮する人もいませんか?
大会の応援でのど飴を差し出した時
席を譲ろうと立った時
重そうな荷物を「持ちましょうか」と申し出た時。
断られると、ちょっぴり切ないです。
 
そう、親切を受けるのもまた親切です。
だって受け取ってもらうと、した方も「いいことしたな!」と満たされるんですから。
だから親切は大喜びでもらいましょう、タダだし(笑)。
 
「受け取る」。
それは次の親切心の着火剤です。
栗や白菜をもらうことが多いこれからの季節
「よし、気持ちよく受け取る人になろ!」
ゴムまりみたいに弾む男の子の背中に、小さな決心をしました。