2017年12月

第141回【最終回】
仲良し家族

 
知り合いに、とっても仲のいい家族がいます。
ママ友ファミリーです。
 
子どもが自分の部屋で寝るようになっても、毎年キャンプへ出かけます。
何をするかも家族会議で話し合い。
息子さん案でスイカ割り、娘さん案でピザ作り。
お母さん案で温泉に入った後は、お父さん案の肝試しです。
その後みんなで野原に寝転び、流れ星を探すのだとか。いいなあ。
 
ある日彼女に尋ねました。
「仲良しのヒケツってなあに?」
ううむと腕を組み天井をあおぐ彼女。
「あ」と小さな声をあげ、電球から私に視線を移して言いました。
 
「相手の大切なものを大切にする」。
 
「…ん~?」
右斜め40度、インコみたいに首をかしげると彼女が続けました。
「娘が大事にしていたぬいぐるみがあったの、猫の。
 白猫だったのに、もう薄茶色になってね。
 だから言ったの、『それ捨てて、別の買おう』って。
 そしたら大泣き!
私にとっては『もの』でも、娘にはそうじゃなかった。
 それ知ってからは私も大切にしたよ、足でよせなくなった(笑)」
 
思い出しました。
幼稚園の頃、私にもそんなぬいぐるみがあったなと。
お祭りで買ってもらった、ぱんだです。
名前はそのまま「ぱんだ」。
あんまり持って歩くのでやはり汚れたのでしょう、母が「お風呂だよ~」と洗って庭先に座らせ乾かしてくれました。
 
けれどです。何度目かに見に行ったら、いないのです!
ぱんだ、逃走か!?
「ぱんだ~、ぱんだ~」
半泣きで探し回ると、隣の家に続く道に白黒の物体を発見。

ぱんだ、救助です! 
見ると糸がほつれて中綿が出ています。 
どうやら散歩の時だけ放される隣の犬・ジャンがくわえて行ったらしいのです。
 
怒りに燃えた私はジャンの背後からそ~っと近づき「ばっきゃろー!」
大きなお尻にケリを一発。
くるり振り向き一目散に逃げたのでした。
ほっ、つながれていてよかった。
 
大事な大事なぱんだ。
母が「お風呂だよ~」と洗ってくれた嬉しさ。
ジャンに「けが」させられた悔しさ。
 
あの時母が大切にしてくれたのは、ぱんだだけではありません。
ぱんだを通して、私の気持ちを、
そして何より、私を大切にしてくれたのです。
そんな母を前よりもっと好きになり、ジャンをキライになりました。
 
「相手の大切なものを大切にする」。
宝物を大事に扱う。
興味あることを応援する。
希望を聞いて叶えようと努める。
脇目もふらず熱中する時間を認める。
 
そしたら仲良くなるだけじゃない。
やりたいことが見つかって
才能がふんわり広がりそう!
 
そしてもちろんあなたの
行きたいとこ、
やりたいこと、
時間等々。それも大切にしてもらってね。
 
そんな応援し合える仲良し家族、仲間、地域を作るんだ。
よおしやるぞ、えいえいおー!


 
「だいすきよっ」は今回をもちまして終了いたします。
 長い間ごらんいただきありがとうございました。
 またどこかでお目にかかりましょう!