子育て相談室-児童期 2006年3月

自立心と自主性


 「ほめて育てよ」といわれる一方で「ほめてばかりいると、ほめなくては行動しなくなる」という意見もあります。「勉強しなさい」をいい続けると、そういわれなくては「勉強しない子」になるという意見もあります。子どもの自立心と自律性を育てるには、子どもへどのような声かけをしていったらいいのでしょうか。


 3歳の子が、おもちゃを欲しくてダダをこねています。このときに、「泣いたらおかしい」と注意したとします。もしも子どもがその注意に従い、泣かなくなったら「おりこうだね」とほめることでしょう。

 ところが8歳の子が同じことをしたらどうでしょうか。たとえ泣き止んでも「いい加減にしなさい」と感じ、決してほめはしないはずです。

 子どもへの対応では、子どもの年齢や理解力が重要なポイントとなります。言動が年齢よりも幼ければ叱る対象となり、年相応かそれ以上のことをすれば、自然とほめたくなります。

 なお実際には、「ほめる」と「叱る」の2つの対応法しかないわけではありません。あるお母さんは「乱暴に置かない!」と叱るよりも、「やさしく置こうね」という方が素直に従うと言います。子どもに提案するようなもの言い方だからでしょう。

 「ほめる」だけではなく、促す、手順を示す、ゴールを明確にするといった対応もあります。また「叱る」だけではなく、たしなめる、本人にそれとなく気づかせるなど、いろいろな付き合い方があります。

 少子化・核家族の現代では、子育てに必要な知恵をまわりから学べない可能性があります。特に子どもの「年相応」のことが何かわからずに、ちぐはぐな対応をしてしまう親が増えているように思います。「年相応」のこと、また年齢に合わせた対応のさまざまなバリエーション、それらを学ぶ場が求められています。

 5歳の子に、「勉強しなさい」と口うるさくいう大人は少ないでしょう。ところが小学校、中学校と学校に行くと、勉強しなさいといわざるを得なくなります。

 理由のひとつは、学校の勉強がわからなくなることを心配してです。もうひとつは、学校は勉強する場所という社会的な決め事に子どもが従わないことを不安に思うからです。さらに宿題をしないとなれば、約束を守れないことも心配になります。大人が子どもに「勉強しなさい」というときの心理は、後者の比重が重いのかもしれません。

 とすれば「勉強しなさい」の注意よりも、「約束を守らせる」ことにテーマを変えた方がいいかもしれません。お手伝いなど約束後を決め、それを守るように促します。

 自立心や自主性の確立には、子どもの社会性がきちんと成長していくことと深い関係があります。大人は年相応のことや、約束の大切さなどを学ぶ必要があります。