子育て相談室-児童期 2003年1月

無 口


 小学6年の男子ですが、最近家族に対して口をきかなくなりました。努めて声をかけるようにしますが、余計に黙り込んで自室へこもってしまいます。家庭内暴力等に発展するのではないかと心配しています。


 小学校も高学年になると、子どもはさまざまな点で変ってきます。たとえば野球やサッカーチームです。3、4年生までは、自分のポジションが変ってもあまり気にしません。ところが五年生前後から、ポジションを意識し、それを守ろうとしだします。

互いに力量をはかり合う


 チームプレイや班活動では、自分とほかの子たちの力を比較できる力が必要です。たとえば、みんなの中からピッチャーや班長を選ぶとします。難しい課題だと思いますが、不思議と合意が生まれピッチャーや班長を選び出します。まるで同じモノサシを心の中に持ち、みんながそれではかり合っているかのようです。

 もっとも重要な変化は、子ども集団の目的が明確になることです。野球では、自分のチームの勝利が目的となり、その実現のために、最強チームを作りたいとの気持が強まります。自分のやりたいポジションをほかの子に譲っても、チームの勝利に尽くそうとします。自己犠牲の精神が集団を支え、目的に向かって進ませます。

仲間になれない


 この時期、仲間との関係が微妙で難しいものになります。 なかには、他の子たちの力量をはかれない子がいます。そして高すぎる自己評価で、話し合いや遊びの場を仕切ったりします。

 役割が与えられても、目的意識が弱くやり遂げられない子もいます。このような子たちは、子ども集団から非難され、排斥されることさえあります。グループ活動で仲間関係が上手く取れず、何事も被害的に受け取るようになる子がいます。こういう場合は、本人の力量に合わせてグループでの役割を決めるなど、大人の調整力が求められます。

 クラスの子たちや学校を、極端に怖がるようになる子もいます。班活動などで役割を持ち、それを果たすことは社会生活の第一歩ともいえます。怖がる子は、グループ内で役割を持ち、それを実行することに自信が持てません。大人の支援が是非とも必要な子です。

無口よりも、おしゃべりの方が心配


 高学年の子は、仲間から認められたい気持ちの高まりを背景に、緊張しながら生きています。親への依存は弱まり、またわかってくれないとの思いもあるでしょう。だから無口となります。

 無口の理由を考えれば、それがすぐに家庭内暴力につながるとはいえません。逆に、親に何でも喋る子の方が心配です。そういう子は「チクリ屋」と見なされ、攻撃される可能性があるからです。仲間について何でも喋る子は、大人がたしなめることも必要です。