子育て相談室-児童期 2003年3月

集中できない


 小学4年生の子がいます。机に座って10分もしないうちにソワソワし、別の事を始めます。何をしても長続きしないため、勉強も集中してできないようです。あきっぽい性格をなおすにはどうしたらよいのでしょうか。


 小学校もこの頃の学年になると、自分の得手不得手への意識がはっきりとしてきます。幼児期から小学校低学年の間は、多くの子たちに読んだり歌ったり、作ったり描いたりという表現活動に積極的に参加する姿が見られます。この時期は、自分を表現したいという気持ちが強いからと思われます。

 ところが段々と、工作は好きだけど、絵を書くのは苦手というように、自分のなかで得意不得意を意識し、苦手なことはしようとしなくなってきます。

強まる他の子と比較


 これは、他の子と自分の力の優劣を比較し、そのことを強く意識するように変化することがひとつの原因と考えられます。このことは、ある面で、苦手なことは他の人にまかせ、自分の得意なことで仲間の役に立つという考え方を学ぶことにつながります。社会はそうやって成立しており、社会の一員となるための学習をしているといえます。

 なかには、得意なことがなかなか見つからない子もいます。それは、学校の勉強でも同じです。しかし、学校での勉強のことがとても重い比重を持つのが現代です。成績が優秀だからといって、社会的に適応が良く、幸せになれるとは一概にいえません。親もそうとは思いつつ、不安もあって勉強を重視し、子どもを追い立ててしまいがちです。そうすると子どもは、苦手で不得意なことばかりを押しつけられ、ますます意欲を失います。

自分の基準


 仲間との優劣を意識するこの時代ですが、子どもたちにはもう一つの変化が現れます。それは外部からの評価ではなく、自分のなかに自分なりの評価基準を築きだすことです。他の人からどういわれようと、自分が好きなことを、自分流で努力しやり遂げていく、そういう意識が強まってきます。以前、「自分をほめてやりたい」というマラソンランナーの言葉が流行りました。これはまさに、内部基準、自分なりのものさしがあるから言える言葉です。

教えたい、必ず上手になれるという気持ち


 何事にも長続きしない子どもに対して、「克己心がない」というのは簡単ですが、それよりも「何に熱中できるのか」一緒に探してやりたいものです。他の子たちと比較するのではなく、その子なりの目標や方法を尊重します。自分なりにがんばっていることに対して、「上手になったね」「がんばっているね」と認めたいものです。親が子どもにしてやれることは、そう多くは無いように思います。

 ただ、がんばれば必ず「上手くなれる、上達する、やっていける」という気持ちだけは養いたいものです。自分への自信さえあれば、人生の荒波にも耐えていける大人になれると思うからです。