子育て相談室-児童期 2003年7月

わがままをなおすには


 7歳の息子のことでアドバイスをお願いします。思い通りにならないと、すぐに、暴れたり叫んだり。育て方が悪かったのかと反省の毎日です。「キレる」などという言葉が多く聞かれる昨今で、子の将来が心配です。何とかして、息子のわがままを直したいと思っています。


 最近、「乱暴」の相談が増えてきました。他の子を叩く、物への八つ当たりがひどいなどが主な訴えです。年長から小学校2〜3年生までの子がほとんどです。

 大半の子が、AD/HD(注意欠陥・多動性障害)の疑いを持たれ、それが医療機関への受診につながっています。ここで断っておくと、AD/HDだから乱暴とはいえません。泣きはしても、喧嘩はできないAD/HDの子が数多くいます。AD/HDの子は、感情のコントロール力の不足が特徴といわれています。

 まわりの大人は、乱暴がずーと続くことを心配します。ただそれよりも、小学校5年生あたりから急におとなしくなる子が多いようで、なかには不登校、引きこもりへと進む子がいます。自分の苦手、不得手を指摘されることが乱暴の引き金ともいわれます。乱暴は、劣等感の裏返しといえます。低い自己評価が小学校高学年あたりから強まり、それがひどくなると学校にいけなくなるのでしょう。乱暴も大変ですが、将来、このような状態になる方が心配です。というのも、一度低下した自己評価の回復は、なかなか難しいからです。

乱暴の理由ですが、多くの場合、社会性の幼さが関係しているようです。たとえば、子どもの発達を社会性の面から見ると、以下のようにまとめることができます。

 2歳〜   自分のつもりが優先される
 3歳〜   自分の好き嫌いを主張する
 4、5歳〜 勝ち負けを意識する
 6歳〜   道徳を学び、善悪で判断する
 7、8歳〜 仲間意識が強まる
 10歳〜   グループ活動で一定の役割を果たす


 社会性の幼い子は、他の子たちと遊んでいても、自分の好き嫌いが最優先されます。勝ち負け意識が強い段階だと、競い合いの気持ちが強すぎて乱暴につながりがちです。道徳的な判断ができないと、言葉でなく手足が出ます。仲間意識が強まる頃に、平気でルール破りをしていると他の子たちとうまく遊べません。

 なお社会性が幼い子は、仲間はずれの感覚を持ちやすいようで、それが劣等感や、被害的な気持ちを強めていきます。

 子どもは、5歳前後から「わざと」でない場合は反撃しなくなります。これがわからず、何事も「わざと」と取り、攻撃する子もいます。乱暴だけに目を向けるのではなく、社会性の発達に注目し、感情をコントロールでき、言葉で自分を表現できる子にしたいものです。

(参考図書)一松麻実子著「人と関わる力を伸ばす」すずき出版 1600円 2002年