子育て相談室-青年期 2004年1月

不登校


 長男が学校に行かなくなりました。中学1年です。はじめのころは、朝になると「頭痛・腹痛」を訴え、学校を休んでいましたが、現在は、全く学校に行かなくなり、日中はTVゲームをしたりマンガ本を読んで過ごし、外に出ようともしません。「学校には行きたくない」の一点張りです。このままでは将来が心配です。どう対応したらよいでしょうか。


 これまでにも、ご相談されてきたでしょうから、不登校について決め手がないのはご存知と思います。実際に、クリニックで会う不登校の子たちの姿はさまざまです。当然ですが、不登校の原因もひとり一人違うようです。ただ中学1年で始まる場合は、以前にも述べましたが、「評価過敏」が背景にある可能性があります。

気になる評価と修正提案


 中学生前後から子どもは、まわりの自分への評価に敏感になってきます。小学生の時は聞き流せたのに、それができなくなります。なかには他の子からの評価が怖くなり、不登校になる子がいます。こういう場合まずは、他の子の評価で気になる点は何かを聞きだします。そして、偏っていたり、誤った自己認識があれば、「そうではないよ」と修正提案していきます。

外出機会を増やしていく


 話しは変わりますが、子どもの育ちを在宅時間でみると、たとえば赤ちゃんは24時間家にいます。一般的には年齢が増すにつれ、外にいる時間が長くなります。小学校1年生と6年生を比較すればそれがよくわかります。中学生よりも高校生が在宅時間は短くなっていき、やがて子どもは巣立っていきます。

 自立とは、成長にあわせ、外にいる時間が長くなることともいえます。言葉を変えれば「外で受け入れてもらえる存在」に成長することとも表現できます。このような姿の反対が不登校・引きこもり状態です。症状の重さに比例し在宅時間が伸び、赤ちゃんと同じに24時間家にこもる青年もいます。

 クリニックでは、在宅時間を減らすよう指導しています。買い物に行かせる、図書館で勉強させる、用事をいいつけるなど、極力外に出すようにします。欲しい物は自分で買いに行かせます。外の世界でも大丈夫との感じを、子どもの中に育てることが目的です。

 なお、親が子どもを外に出すまでには時間がかかるかもしれません。不登校は他者との交渉力の不足が原因ともされます。外出交渉は、子どもの交渉力を成長させることにもつながります。

 今担当している中2の少年は、外出作戦を1年半続け、教育センターに毎日通えるようになりました。最近は、24時間家にいた頃とは打って変わり、身体と表情が引き締まってきました。友達と遊ぶ楽しみもわかり、家にいる時間がどんどん減っています。もう引きこもることはないと思っています。