子育て相談室-青年期 2006年6月

悪い友達


 中学1年の息子です。家に友達を連れてくるようになりました。よい友達とは思えません。その友だちといることで自分も強くなったかのような錯覚を起こしていると思われる言動も増えました。彼が選んだ人間関係です。むげに友だちを否定することは良くないと感じています。しかしこのまま放置していいとも思っていません。親としてできることは何でしょうか。


 「悪い」というのは親の印象です。印象だけで友達の良否を決めると、子どもは「自分を信用していない」と反発する可能性があります。あるいは親を、「外見だけで人を判断する人間」と非難、軽蔑するかもしれません。

 友達については、印象ではなく行為で判断することが原則です。この行為ですが、飲酒、喫煙ばかりでなく窃盗、暴行、恐喝など法に触れるレベルの内容があります。これらのことを仲間でやっている場合は、友だちというよりも「犯罪グループ」ですから、関係を切らせる必要があります。このときに友達がリーダーなのか、あるいは子どもが主導しているのかを見極めます。わが子がリーダーならば、強く戒めなくてはいけません。

 犯罪とはいえないレベルもあります。たとえば髪を染める、制服に細工を入れる、持ち込み禁止の物を持っていくなど校則違反レベルの行為です。これは中学生特有の、教師への反抗、他の子へのいきがりなどの理由が考えられます。子どもなりの考えや理由を聞き、自分たちが取るべき行為を話す中で気づかせます。

 ときには、教師や他の生徒への暴言、非難などが、子どもなりに正当と感じていることをうまく表現できないのが原因の場合もあります。こういう場合は、子どもの考えをよく聞かないと「ぼくの話をまったく聞かない。命令ばかりする親」と思うようになります。

狼にならなくてはいけない


 13歳までは犯罪を起こしても罪は問われません。子どもだから衝動をコントロールできないことや、法律のように目に見えないものが社会を支配していることを理解しにくいなどが理由としてあげられます。

 ある心理学者は、男児は14歳前後になると「狼への変身」を迫られるといいます。それまでは、子どもは親の庇護の中で暮らしています。庇護というのはある面からいえば、自分で餌を獲らなくてもいい状態です。それが14歳前後から、自分で餌を獲らなくてはいけないと考え出す、それを「狼になる」とその心理学者は表現しました。

 自分で考え判断し「獲物を狩れる」ようになる。その獲物を家族に分け与えられること、これが自立といえます。

 「子犬」から「狼」に変身していく姿は、親には「強がっている」と映るのかもしれません。この「強がっている」ですが、子どもは本当に強い狼になることを迫られ、必死に強くなろうともがいています。中学生は変身の過程にいると考え、様子を見守る期間が必要のように思います。