子育て相談室-青年期 2006年12月

勉強しない


 中学2年生の子を持つ親です。子どもの勉強に対するやる気を起こすにはどうしたらよいでしょうか。まったく無関心というわけではありませんが、どうも遊びに走りがちです。楽なほうに気が向きがちです。集中力も持続力もありません。勉強を通して、自分の道を見つけてほしいと思っています。親としてできることはないのでしょうか。


 都内の私立学校の先生方と話す機会がありました。その折りに、生徒が「勉強する子の群」と「勉強しない子の群」の2つに分かれてきたという話を聞きました。

 いわゆる「ふたこぶラクダ」のような分布になっているそうです。この数年、2つの群がさらに開いてきているともいいます。その原因は、勉強しない子がますますしなくなっているからだとのことでした。

 成績は山型に分布するのが普通です。ですから5段階評価では3が一番多くなります。ところがふたこぶラクダでは、3が減り、1と2、それに4と5が多くなるでしょう。格差社会が、学校の成績にも現れているようです。

作られた「知的障害」


 小学校4年生の頃から付き合っている中学生がいます。この子には中度から軽度にかけての知的障害があります。ご両親も当然知っています。熱心なご両親で、漢字や計算など子どもの勉強をみています。

 彼の住むN県では、心障学級(特殊学級)のほかに親学級(通常学級)があり、希望すれば通常クラスでの授業に参加でき、定期試験も受けられます。

 中3になり、お父さんから進路の話しがありました。以前から筆者は、障害を持つ子のための養護学校を薦めていました。ところがお父さんは、中学校の先生から地元の普通高を薦められたといいます。

 その理由は成績です。彼は、理解は難しくとも、ある程度記憶することができます。記憶力で社会や国語などのテストで、3割程度取れることがあるそうです。この成績だと、250名中で200番くらいになるといいます。だから普通高となりました。

 知的障害がある子よりも成績が悪い子が50人もいる、この事実に驚きます。

「生きる力」そのものがひ弱


 まったく勉強しないという子の相談が、クリニックでも増えています。特に中学生に顕著です。以前は好きなことが他にあり、勉強に身が入らない子がいました。いまは何にも身が入らない子ばかりです。

 こういう子に「将来は何になりたい?」と質問すると、「わからない」「考えたことない」という答えが返ってきます。勉強しないことよりも、生きる目的ばかりか、生きようという意欲の薄さを感じます。

 こういう子の親には「急がば回れ」で、と話します。目先の受験がたとえ上手くいっても、その先での挫折が多いからです。

 親は子育てをし直す覚悟で、まずは子どもの自立年齢を決めます。その年齢までに「働く体験=役立ち体験」も含め、子どもに何を体験させ学ばせるべきかなど、長期的な視点で計画を立てる必要があります。