子育て相談室-青年期 2007年6月

反抗期がない


 14歳の子を持つ親です。男の子なのですが、性格がやさしいのか、いわゆる反抗期がないように感じています。親子関係も仲の良い友達のようだと思っています。反抗期は、子どもが大人になる上で体験しなければいけないとか、反抗期がないと成人してから問題を起こすとかよく耳にします。ほんとうにそうなのでしょうか。反抗がないことは問題なのでしょうか。


 これまで20年ほど、主に若い人を対象に心理学などを教えてきました。授業の合間に、反抗期の有無や内容について質問してきました。どうして反抗期について質問しだしたかというと、「反抗期がなかった」学生がいることを知ったからです。自分には、親に強く反抗した時期がありました。だから不思議でした。

反抗期のない若者が、増加している可能性がある


 統計的に実証したわけでなく、思いついたときに学生に質問してきただけです。このため体感的な話ですが、20年位前は反抗期のあった学生が7割、なかった学生が3割ほどでした。それが現在では逆転、反抗期があった若者が3割ほどになっているようです。

反抗の中身の変化


 ある学生は、小学校6年生のある半日だけ母親に反抗したといいます。半日を「反抗期(間)」とはいいがたく、反抗のエピソードがあった程度です。

 実は、このようなエピソード的反抗の若者が少なくありません。なかには、反抗を言葉や行動で一切表に出さなかったという学生もいます。心の中では思っていたといいますが、抑制が効かないのが反抗期です。表現しなかったとの話しには、エネルギー不足を感じます。

 反抗の対象が特定の人であった(主には親ですが)、ほかの人には反抗しなかった、という話も聞きます。こういう場合は、反抗期というよりも特定の相手との人間関係が問題なのかもしれません。これらの話には、爆発する反抗期というイメージがありません。

「反抗期」は「自立期」ではあるものの・・・


 「発達の目的は、自分で考えて判断し、言動が取れるようになること」とされます。

 反抗期は自立期といえ、自分の考えを理屈も含め全面的に押し出す時期です。ただ押し出すためには、自分とは明確に違う考えの存在が必要です。ところが大人の側に明確な考えがなく、若者に反抗のエネルギーが起こらないのかも知れません。

 さらには、自立期が長くなっている可能性があります。暴走族は18歳で卒業、その後はきっちりと仕事するのが以前は普通でした。今は30歳を越える暴走族がいます。

 13歳から18歳までの短期間で、大人になることを期待された時代とは違い、未熟な時代が長くても許され、反抗が薄く延びているのかもしれません。何はともあれ、反抗期はこれからも推移を見守るべきテーマであるのは確かです。