最近「子ども事情」AD/HD の理解と対応 2001年10月

第3回目
AD/HD の3つの特徴

 最近、 AD/HD (注意欠陥・多動性障害)への関心が高まってきています。新聞や雑誌で、しばしば取り上げられるようになりました。この欄ではしばらく、社会的問題にもなっている AD/HD について述べていきます。

 Aくんは保育園の年長です。絵本の読み聞かせなどでは座っていられず、勝手に園庭に出たりします。気も散りやすく、興味が持てなければ、先生のいうことでもまったく聞こうとしません。友達と遊びたいものの、順番が待てず、すぐにケンカになってしまいます。急にほかの子を突き飛ばしたりして、なにしろ乱暴が目立ちます。

 Bくんは小学校2年生。最近は、教室から出ていくことはなくなりましたが、授業中に他の子にちょっかいを出しては、嫌がられています。忘れ物も多く、何度いっても直りません。ただ、授業態度に問題はあるものの、勉強がわからないわけではありません。

 C子さんは小学校5年生です。授業中のおしゃべりが止まらず、まわりからうるさがられています。また、一言も二言も多く、友達を怒らせてしまいます。

AD/HD の三つの特徴

 三人の子ども達の姿にはそれぞれ、 AD/HD の特徴が現れています。ここで、その特徴をまとめてみます。 

<多動性>

 Aくんは座っていられず、Bくんは教室から飛び出していたとあります。他の子よりも動きが多いこういった状態を、多動性といいます。ただこの多動性は、年齢が進むと減少する傾向があります。かわりに、C子さんのように「お口の多動」ともいえる、ひっきりなしのおしゃべりが目立つようになることがあります。

<注意の転導性>

 気が散りやすく、興味がもてない授業だと集中できなかったりします。忘れ物も多いのですが、これは不注意のためと思われます。ただその反面で、自分が好きなことにはすごい集中を示すことがあります。何かを製作するときや受験などで、それこそ「寝食を忘れて取り組む」子たちもいます。このような極端な姿から、注意の範囲の狭さや、注意を持続できない点に問題があるともされています。

<衝動性>

 突然、園庭に飛び出す、ほかの子に乱暴するなど、衝動的な行動が見られることも特徴の一つです。この衝動性が原因でケガをしたり、事故にあいがちです。C子さんは、一言も二言も多いとありますが、自分を抑えることができずに、いけないとわかっていても、言葉に出してしまいます。多動の子たちは、心に浮かんだ最初のことばをいってしまうともいわれ、これもまた、衝動性の高さが原因と思われます。