最近「子ども事情」AD/HD の理解と対応 2002年10月

第11回目
親の言うことをきかない…2



 前回、 AD/HD の子のなかに、母親のいうことを極端にきかない子がいると述べました。母親ばかりでなく、女性ということが影響してか、園や学校の女の先生にまでそれが及ぶ子もいます。

 子どもが反抗的だと、クラス運営がスムーズにいきません。良心的で熱心な先生ほどその悩みは深く、大人の方が精神的にまいってしまうこともあります。なお、女性ばかりではなく、誰に対しても素直でなく、攻撃的な子もいます。それがひどい場合には、「反抗挑戦性障害」とされます。

 2人とか3人の息子が、揃って多動で反抗的、というお母さん達がいます。子ども達が、ある程度いうことを聞いてくれないと、家庭生活が成り立ちません。こういうお母さん達の対応には、共通するものがあります。子どもの反抗に悩む者には、見習うべき点が少なくありません。ここで学ぶべき点について、幾つかまとめてみます。

ワンセンテンス・ワンミーニング


 指示は「要にして簡」、だらだらと話しません。一文一意は、気が散りやすい子には合っています。注意するときも、クドクドとではなしに簡潔明瞭です。

約束を守りきらせる


 約束したことをなかなか守れないのが、 AD/HD の子どもです。これが繰り返されると、大人の方に「仕方がない」とあきらめの気持ちも出てしまいます。ただ、こうやってあきらめていくと、子どもはどんどん約束を守れなくなっていきます。

 あるお母さんは、「約束することは少なく絞り、あくまで守りきらせることが大切」と語ってくれました。また守れたらご褒美を、破ったら罰仕事をさせると、あらかじめ明確に決めておくのも重要とのこと。なお、約束を守れなかったときに、大人が子どもの弁解や屁理屈に負けないよう心がけます。大人が決めたことを破ったのでは、子どもは約束の大切さを学べません。大人が子どもに、安易に譲らないことが原則です。

感情的にならない


 家族のなかに、何人もの AD/HD の子達がいれば、ちょっとしたことで大騒ぎとなりがちです。「私が感情的になったら、誰も止められなくなる」という話を、あるお母さんから聞いたことがあります。前回も紹介しましたが、危険なことをしたなど緊急の場面を除けば、 AD/HD の子どもには、なるべく感情的には対応しないようにします。大人が興奮して話すと、子ども達は必ず感情的に反応してきて、冷静な話し合いができません。

子どもに期待する 、プラス思考をする


 過去のことをクドクドいってもよくならない、これからの成長に期待するのが大切、そのためにはまず自分の気分転換こそが重要、との話をあるお母さんから聞きました。悩みの多い子育てだからこそ、マイナス面にとらわれ過ぎないようにする、そういう意味での気分転換は、確かに大切なことと思います。