最近「子ども事情」part 2 2008年1月

第13回目
いま教育現場で起こっていること


 発達相談に従事する精神保健福祉士の方から来たメールの一部を紹介します。

 熱意が空回りしていると感じる先生。『どう接したらいいでしょうか』と困り果てた表情で懇談の時に親御さんに言う先生。『Aくんは、みんなと違う。Aくんにちょっかいを出されたらその場を離れよう』と小1のクラスで話す先生。『私だって一生懸命やっているんです』と泣く先生。

 親御さんから先生に関していろいろな話を聞きます。こういう話を聞くと、学校の先生のイメージが変わりますが、いつからこういうムードになったのか不思議です。

 学校の先生について、発達障害を持つ子の保護者からの話です。バイアスがかかっているかもしれません。ただこのメールだけではなく、混乱し自信喪失とも思える先生の姿を、クリニックでも聞くようになりました。

 教員養成をする大学の教育学部では、教員の休職が問題となっています。

 ある調査によれば、この10年間に就職した教員のうち、4割近くに休職体験があるそうです。教員全体では、約7千名が病気療養中とされます。

 最近、学校へのクレームが増加しているといわれます。学校の先生への親のクレームには、「いちゃもん」も多いとされます。理不尽なクレームをつける親に、「モンスターペアレンツ」「モンスターマザー」といった名前までつきました。このような「いちゃもん」に、先生たちは子どもの教育に専念できず、疲労困ぱいしているとの報告もあります。

 何かあると先生のせいにする親も、教師のメンタルヘルス悪化の一因であるのは確かです。

 同じメールにこうありました。

 「親御さんと接していても、能力が低いとは思えないのに年長のうちに『特殊学級に入れる』と決めている人が少なくなく不思議です。『無理をさせたくない』との発言も一致しており、このような考え方が主流なのかと思ってしまいます。」

 子どもに「無理をさせたくない」という気持ちには、「教育への期待」の薄まりを感じます。

 いちゃもんに敢然と反論できない教師。メンタルヘルス悪化の原因は、「あるべき教育」が見失われたことと、それに伴って生まれた教育への期待の低下にあるのかもしれません。