最近「子ども事情」part 2 2009年10月

第20回目
兄弟姉妹


 兄弟姉妹の関係ですが、言うまでもなくさまざまな姿があります。

 兄弟姉妹が仲よく過ごしている姿は、見ているだけでこころが和みます。逆に、関係の悪さを思わせる場面に出会うと、居心地が悪くなります。

 兄弟姉妹の関係では、成長につれて仲がよくなったり、助け合うようになったりと、変化することも少なくありません。

障害がある子と兄弟姉妹


 兄弟姉妹の中に、障害のある子がいることがあります。自閉症を筆頭に、当初は治療対象ということで、本人のみに注目が集まっていました。

 それが1990年代以降、親や兄弟姉妹にも徐々に目が向けられるようになりました。ここ4~5年ですが、そのことがさらに強調されるようになりました。

 本人の成長や精神的な安定のためには、家族全体への支援が必要と考えられるようになったことが一因といえます。

10歳の妹が見た自閉症の兄


 この9月に、「お兄ちゃんは自閉症」という本が出版されました(クリエイツかもがわ)。


 10歳の妹が描いたのは、決して障害が軽いとはいえない兄の話です。聴覚が過敏で、理解できる言葉も限られ、コミュニケーションは単語でのやりとりです。彼は偏食も強く、こだわりもあります。そういう兄の、幼児期から10歳までの妹による記録です。

 彼女は優れた観察力の持ち主です。感情はほどよく抑制され、自閉症を知るための客観的記述が示されています。

家族は「一つ」


 もちろん、お父さんやお母さんの姿も描かれています。家族はアメリカに住んでいるのですが、子どもの教育を最優先に、引越しをします。経済的にも大変なようでしたが、親が決断します。

 車で引越しをする場面ですが、期待と不安の気持ちで幌馬車に乗り、居住地を目指す開拓時代の家族の姿とだぶります。

 お兄ちゃんのこれからには、いろいろなことがあるでしょう。ただ問題が起こっても、家族が一つになって乗り越えていくことでしょう。兄弟姉妹や家族について、思いをふくらませ、考えを深めてくれる1冊です。